巣鴨、大宮でうな串や蒲焼き・〆のうな重を味わう

土用とは？

言葉の音だけ聞くと、「土曜日」と勘違いされそうですが、土用の丑の日は土曜日というわけではありません。土用とは、万物は木・火・土・金・水の5種類の元素から成り立っていると考える、五行思想のうちの「土」のことです。

木は春、火は夏、金は秋、水は冬であり、土は全ての四季に均等に存在するものとして、各季節の最後の18～19日間を「土用」と指すようになりました。

そのため、土用は年に4回あります。立春の2月4日頃、立夏の5月6日頃、立秋の8月7日頃、立冬の11月7日頃の直前18～19日間が、それぞれ春の土用、夏の土用、秋の土用、冬の土用となります。

丑とは？

丑は、十二支である子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥の丑のことです。12日に一度丑の日がやってくるのですが、年4回の土用と丑の日が重なる日を「土用の丑」と呼びます。土用の丑と聞くと、夏のものというイメージですが、春夏秋冬すべてにやってきます。

また、巡り合わせによっては、シーズン内に2回の場合があり、1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」と言います。

うなぎを食べるのは夏の土用の丑の日のみ

土用は年に4回はあるのに、「土用の丑」と騒がれるのは夏場だけだと思いませんか？それは、夏の土用の丑の日にのみうなぎを食べる習慣があるためです。では、なぜ、夏の土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのでしょうか？

太田 南畝（おおた なんぽ）説や春木屋説など色々な説がありますが、中でも有名なのが平賀 源内（ひらが げんない）説です。江戸時代に発明家として有名な平賀 源内に、夏場に売り上げの上がらないうなぎ屋が相談にいったことに始まります。平賀 源内の提案で「本日土用丑の日」と店先に貼り出すと、うなぎ屋が一気に大繁盛しました。

ただの思いつきのようですが、平賀 源内の故郷である四国地方には、「丑の日に『う』の字がつくものを食べると夏負けしない」という民間伝承があったことを参考にしたとされています。

実際、うなぎには良質なたんぱく質とビタミンB群が多く含まれているため、夏の疲労回復にはもってこいの食材なのです。ただし、うなぎの旬は、産卵の準備を行うために栄養を蓄積する初冬であり、味も一番美味しいと言われています。

うなぎ以外の食べ物

土用の丑といえばうなぎですが、その他、土用餅（土用に食べるあんころ餅）や土用しじみ、土用卵（土用の産み落とされた卵）などがあります。